いま、医師としてのキャリアは多様化し、病院勤務やクリニック勤務にとどまらない新しい選択肢が増えています。特に近年注目されているのが「パーソナルドクター」という働き方。週1日や週3日といった自由なスケジュールで活動でき、やりがい・ワークライフバランス・収入のすべてを両立できる可能性があることから、多くの勤務医の方が興味を持ち始めています。

本記事では、パーソナルドクターという働き方がどんなものなのか、週1日型と週3日型の具体的な稼働スケジュールや想定年収、メリット・デメリットを詳しく比較してみます。将来のキャリアを考えるうえで「勤務医」という枠を超えた柔軟な働き方を視野に入れてみたい方の参考になれば幸いです。
勤務医の“働き方の選択肢”が増えている
医師の働き方は病院勤務だけじゃない時代に
かつて医師のキャリアといえば、大学病院や大病院、あるいは診療所に所属し、保険診療を中心に働くことが一般的でした。しかし近年は、医師としての専門知識やスキルを活かして多様な現場で活動する方が増えています。
- オンライン診療や訪問診療など、新しい形態の医療提供
- 大手企業と契約して産業医として働く
- 医療系メディアへの執筆や監修など、情報発信の分野で活躍
そして、その一つの選択肢として「パーソナルドクター」が注目を集めています。
ワークライフバランス・収入・やりがいを両立したい人へ
働き方改革が叫ばれるなか、「長時間労働は避けたい」「しっかりした収入を確保しつつ、余裕ある生活を送りたい」「自分の専門を深めながら、やりがいも維持したい」──そんなニーズが高まっています。パーソナルドクターは、比較的自由な稼働スケジュールでありながら、クライアント一人ひとりと深く向き合えるため、多くの医師の関心を集めています。
「パーソナルドクター」という働き方に注目が集まる理由
パーソナルドクターについてはこのあと深堀りしますが、注目を集めている理由は以下のとおりです。
- 時間の融通が利く:オンライン相談を活用し、柔軟なスケジュールを組める
- 収入面の期待:クライアント単価次第で大きな収入源に
- やりがい:病気の治療だけでなく、予防や健康維持に寄り添うことでクライアントの人生に深く貢献できる
パーソナルドクターとは何か?
どんな仕事?
パーソナルドクターの主な役割は、クライアント(患者)一人ひとりに対して“かかりつけ医”以上に踏み込んだ形で健康維持や増進をサポートすることです。保険診療のように病気を治療するだけでなく、むしろ予防や健康習慣づくり、ライフスタイルの改善提案が中心となります。
- 年間4回の定期面談+随時の相談対応
多くの場合、年間契約のスタイルをとり、定期面談は年4回ほど。加えて、開発したアプリ内のチャットツールなどで気軽に相談できる体制を整えます。 - 健康管理・予防がメイン
病院では時間や制度の制約があり、なかなかゆっくり患者さんのライフスタイルまで踏み込んだサポートが難しいこともありますが、パーソナルドクターならこれが可能です。
どんな先生に向いている?
では、どんな先生にパーソナルドクターという働き方は向いているのでしょうか?私が考えるパーソナルドクターに向いている人をまとめました。
- 一人ひとりの患者と深く向き合いたい先生
病院勤務で、患者さんを“流れ作業”のように診察しなければならないことにモヤモヤを感じている方にはぴったりの働き方です。 - 通常の保険診療の枠を超えて働きたい先生
保険診療には点数やルールの縛りがありますが、パーソナルドクターは保険外のサービス提供となります。より自由度の高いアドバイスが可能です。 - フリーランス的に時間を自由に使いたい先生
オンライン相談を中心に行うため、場所や時間を自分でコントロールしやすく、副業として週1日から始めることも可能です。
働くスタイル
パーソナルドクターとして働くうえで外せない条件面。こちらも簡単にまとめました。
- 報酬は事業所得
報酬は事業所得として支払われます。そのため、経費計上が可能となり、ある程度のクライアント数を担当する場合には法人化も検討されます。 - オンライン中心の対応で、場所に縛られない
定期的な面談はオンラインで行うことが多く、海外在住のクライアントとも契約できます。 - 経験年数によって単価アップも可能
経験年数や担当クライアント数によってグレードが別れています。担当クライアント数名の初心者から数十名のベテランになるにつれ、報酬も徐々に上がっていきます。
では、パーソナルドクターとして勤務する場合には具体的にはどういった働き方になるのでしょうか?
これから「週3日勤務」と「週1日勤務」を具体例として取り上げ、よりイメージしやすい形にしてみます。
【シミュレーション①】週3日勤務で月8時間の面談
週3日ほどパーソナルドクターの業務に充てた場合、どの程度の収入が見込めるのか具体例を見てみましょう。
クライアント数と稼働時間
- クライアント数:100名
- 年間面談時間:400時間(週あたり約8時間)
年間4回の定期面談を1回1時間とすると、1名あたり年間4時間×100名=400時間。週換算で約8時間の面談時間です。
オンライン主体なら移動の手間がないため、比較的効率的にスケジュールを組むことができます。
想定収入
- パーソナルドクター:1,000万円(事業所得)
年間8〜10万円×100名=800万〜1,000万円程度。ここでは1,000万円と仮定。 - 非常勤医師勤務(週2日):年間660万円(給与所得)
時給8,000円×週16時間×52週=約665万円。概算で660万円とします。 - 合計収入:約1,660万円
生活イメージ・自由時間
- 面談は週8〜9名で調整可(オンライン主体)
- 曜日や場所を柔軟に選べる
- 2日は医療機関勤務、2日は完全オフにもできる
例えば月・火は病院勤務、水〜金はオンライン面談、土日は完全オフという形も可能。週5日勤務で年収1,600万円を超えるため、プライベートとの両立がしやすくなります。
【シミュレーション②】週1日勤務で月10時間の面談
次に、週1日のパーソナルドクター稼働を想定した例を見ていきましょう。副業やお試しで始めるパターンです。
クライアント数と稼働時間
- クライアント数:30名
- 年間面談時間:120時間(週あたり2.5時間)
1人あたり年間4回の面談×1時間で年4時間、30名で120時間。これを52週で割ると週2.5時間ほど。月に数日まとめて面談を実施するなど、工夫次第で十分こなせるイメージです。
想定収入
- パーソナルドクター:300万円(事業所得)
年間8〜10万円×30名=240万〜300万円程度。ここでは300万円と仮定。 - 非常勤医師勤務(週4日):年間1,320万円(給与所得)
時給8,000円×週32時間×52週=約1,328万円。概算で1,320万円とします。 - 合計収入:約1,620万円
生活イメージ・自由時間
- 月数日だけ面談を集中的にこなすことも可能
- 医師としての勤務を続けつつ、将来の副業育成にも◎
- 自分の専門領域を活かした差別化も可能
新たな働き方やスケジュール管理に対する不安があるなら、まずはクライアント30名を目標にスタート。実績が積み上がれば、より多くのクライアントを担当できる可能性が高まります。
比較:週1日 or 週3日、あなたに合うのはどっち?
| 項目 | 週1日勤務型 | 週3日勤務型 |
|---|---|---|
| パーソナルDr収入 | 約300万円 | 約1,000万円 |
| 医療機関勤務 | 約1,320万円 | 約660万円 |
| 合計年収(事業+給与) | 約1,620万円 | 約1,660万円 |
| 稼働日数 | 医療機関4日+自由1日 | 医療機関2日+自由2日 |
| 自由時間 | 少なめ | やや多め |
| 向いている人 | 安定収入をキープしたい人 | 自由時間を増やしたい人 |
どちらを選ぶかは、パーソナルドクターとしての収入をどれだけ重視するか、医療機関勤務での安定収入をどれだけ求めるかによって変わります。
「安定収入をキープしながら副業として始めたい」なら週1日型、「早めにパーソナルドクター業務に軸足を移して自由度を高めたい」なら週3日型が選択肢の一例です。
パーソナルドクターのメリット・デメリット
パーソナルドクターとして勤務することで得られるメリット、デメリットをまとめてみました。
メリット
- クライアントと深い関係性が築ける
病院勤務では短時間の診察になりがちですが、パーソナルドクターなら長期的に個人と向き合えます。 - 自分の裁量で働ける
保険外診療なので自由度が高く、オンライン主体なら時間と場所も選びやすいです。 - 医療スキルを最大限活かせる
治療だけでなく予防やメンタルケアまで、医師としての知識を幅広く活かせます。
デメリット
- 最初はクライアント対応が不安な人も
まだ一般的に広く知られている働き方ではなく医療機関での勤務とは異なるため、クライアント対応について学ぶべきことが多く、多くの課題を感じることがあります。 - パーソナルドクターとして安定収入を得るには工夫が必要
ある程度のクライアントを安定的に確保できるまでは、得られる事業所得も多くありません。他の副業や非常勤勤務との併用を検討しましょう。
自由な働き方が、生活を変える
パーソナルドクターというキャリアは、時間・収入・やりがいを「自分で設計」できる魅力があります。勤務医としてフルタイム勤務だけが医師の道ではありません。オンライン環境が整いつつあるいま、場所や時間に制約されない新しい働き方は、これからますます拡大していくでしょう。
特に、働き方やライフステージが変わりやすい医師の方にとって、週1日から取り組めるパーソナルドクターは大きなチャンスとなり得ます。特に産休・育休後に復帰する女性医師や子育て真っ最中で家庭での時間を増やしたい中堅の医師など、さまざまな層が挑戦できる可能性が広がるのです。
もちろん、不安要素がまったくないわけではありません。クライアントとの信頼関係づくり、事業所得としての納税など、新しく学ばなければならないこともあります。それでも、自分の理想とする医師像を追求しながら、自由な時間を確保し、しかも高収入を目指す道筋が開けるのは大きな魅力です。
「まずは週1日から始めてみる」というハードルの低さもパーソナルドクターならではのメリット。非常勤医師の勤務と両立しながら、少しずつクライアントを増やし、満足度の高いサービスを提供していけば、安定した収益が見込めるでしょう。逆に、早期にしっかりコミットして週3日スタイルを確立することで、一気に事業所得年間1,000万円超を狙う働き方も可能です。
あなたの価値観やライフスタイルに合わせて、今後のキャリア設計の選択肢の一つとして「パーソナルドクター」を検討してみてはいかがでしょうか。勤務医としての日常を保ちつつ、新たなチャレンジをすることで、より柔軟で豊かな生活が待っているかもしれません。
もしパーソナルドクターに興味を持っていただけた先生は、ぜひ以下のHPにもアクセスしてください。新たな働き方の第一歩を踏み出しましょう。



