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なぜ私はスポットバイトをしないのか?フリーランス医師の戦略

キャリア

医師としての働き方にはさまざまな形がありますが、近年注目されているのが「フリーランス医師」という選択肢。時間や場所に縛られず、自分のペースで働けるという自由度の高さから、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、いざフリーランスになると、「安定収入が得られないのでは?」「非常勤バイト、スポットバイトをこなし続けるのは大変では?」といった不安の声を耳にします。私もフリーランスになりたての頃は、「生活費をどう稼ぐのか」「スケジュール管理をどうするのか」など悩んだ時期がありました。

本記事では、フリーランス医師がスポットバイトを選ばずともキャリアを築く方法について、私自身の経験を踏まえながら解説していきます。長期的な視点で「どのように収入を安定させるのか」「どんな働き方が自分の価値を高めるのか」を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。


はじめに

フリーランス医師として働く私のキャリアの基本方針

私がフリーランス医師になったきっかけは、「自分の裁量で働ける時間や場所を選びたい」「一つの病院や診療科に留まらず、より幅広い領域で経験を積みたい」という思いからでした。実際にフリーランスとして動き始めると、まず目に入ってくるのがスポットバイトの数々です。求人サイトや仲介会社からも多くの案件情報が届きます。

はじめのうちは私も「半日単位で効率よく収入を得られるならアリかも」と思い、スポットバイトをいくつか試してみました。健診、内視鏡、社会人スポーツの試合での救護待機など、多様な現場を経験し、半日拘束で時給1万円前後という案件が多かったですね。収入面だけ見れば悪くない印象もありました。

しかし、「長期的なキャリアをどう築いていくか?」という問いを突き詰めて考えたとき、私は意図的にスポットバイトの頻度を減らしていくようになりました。その理由を大きく3つに分けて説明します。


スポットバイトのメリットとデメリット

まずは、スポットバイトの一般的なメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリット

  1. 短期間でまとまった収入が得られる
    半日で5〜7万円程度の報酬も珍しくなく、拘束時間に対する時給単価は一般的なアルバイトや非常勤に比べて高めです。
  2. 空いた時間を活用しやすい
    1日単位、半日単位など、柔軟にシフトを組めるため、空いている時間を有効に使いたい人には便利です。
  3. 新しい職場環境を経験できる
    健診、イベント救護、内視鏡センターなど、さまざまな現場を短期間で見られるため、視野を広げる機会としては有益です。

デメリット

  1. 長期的なキャリア形成に結びつかない
    単発勤務で終わってしまうため、そこでの人脈や信用が持続しにくい。次の仕事につながりづらいケースが多いです。
  2. 収益が安定しにくい
    「次のバイトが見つからないと、すぐ収益ゼロ」というリスクが常にあるため、メインの収入源にはしにくい面があります。
  3. 知識・スキルの積み上げがしにくい
    ルーチンワークの依頼が多いため、医療の専門性や新しい技術を磨く機会が少ない。結果的に自分の価値が向上しづらいと感じました。
  4. 交通・待機時間を考えると時給換算で割に合わない
    移動に1〜2時間かかったり、待機時間が長い案件もあります。表面的な時給は1万円でも、実質的には6,000〜8,000円ほどに下がることも少なくありません。

私がスポットバイトをしない理由

1) 時間と収益のバランスを重視するから

医師としての時間は限られています。スポットバイトそのものの時給は高いように見えても、移動や待機時間まで含めると割に合わないことが多いと感じました。また、スポットバイトによって得た経験が次につながりにくい場合、いわば“時間の切り売り”になってしまうのです。
私の場合、健診や救護待機などのスポット業務は、比較的「責任が軽い」ものでした。気楽にできるというメリットはある一方、自分の専門性を高める機会や人脈形成につながることはほぼありませんでした。自分の時間をより資産的に使うには、やはり長期的な関係性づくりが鍵になると考えるようになったのです。

2) 長期的な関係性を大事にしたいから

スポットバイトの多くは「その場限り」の仕事です。一方で、フリーランスで大きな成果を上げている医師を見ると、共通しているのは「長期的な信頼関係を積み重ねている」という点。
私自身、定期非常勤でお世話になっていた医療機関の事務長さんと仲良くなったことで、事務長さんが別の医療機関に移られた際にも声をかけていただき、好条件で働く機会を得たことがありました。こういった“人と人とのつながり”が、フリーランスとしてやっていく上ではとても重要です。スポットバイトを繰り返すだけでは、こうした深い関係はなかなか生まれません。

3) スキルやブランディングに直結しにくいから

フリーランスで活動する際、「自分が他の医師と何が違うのか?」「どんな価値を提供できるのか?」といったブランディングが重要になります。スポットバイトは、“医師がそこにいる”ということ自体に意義があり、専門性を深く発揮する場面が少ない。
もちろん、イベント救護などの場で命を守る対応をするケースもあるでしょうが、基本的には「待機してほしい」という依頼が中心で、新しいスキルを習得したり、自分の実績を積み重ねたりしにくいのが現実です。私自身、「将来的にどんな医師として生きていきたいのか」を考えたとき、スポットではなく持続的に能力を発揮できる環境に力を注ぐ方が良いと判断しました。


では、どうやって収入を安定させるのか?

スポットバイトをしないと聞くと、「フリーランスで本当にやっていけるの?」と不安になる方もいるかもしれません。ここからは、私が実際に行っている収入の安定化策を3つ紹介します。

1) 継続契約を取る

定期非常勤や産業医契約など、継続性のある仕事を確保することは、フリーランス医師にとって最も重要なポイントの一つです。

  • スポットバイトも、もし繰り返し依頼が来る可能性があるなら、「次回も呼んでいただけるよう工夫する」ことを心がけます。
  • 具体的には、「バイト終了後にしっかりお礼を伝える」「問題が起こった場合には積極的に改善策を提案する」などを徹底し、単発で終わらせないように努力します。

こうした積み重ねが、やがて「あの先生にまた頼みたい」という継続的な依頼につながり、収入の安定が生まれます。

2) 高付加価値なサービスを提供

コンサル型、アドバイザリー契約を検討するのも一つの手です。たとえば産業医契約だけでなく、企業顧問や健康経営のアドバイザーとして、医師が持つ専門性・知見を包括的に提供するスタイルです。

  • 「健康管理体制の整備」「従業員のメンタルヘルス対策」「新規事業のメディカルアドバイス」など、医師の視点が必要とされる分野は意外と広いもの。
  • こうした相談役、戦略策定のパートナーとして入り込むことで、相手の課題に深くコミットでき、成果に応じて対価を得やすいというメリットがあります。

3) 収益の柱を複数持つ

フリーランスである以上、一つの案件が途絶えただけで生活が危うくなるリスクは避けたいところ。そこで私は、「医師としての労働収入+α」の形で収入の柱を増やす工夫をしています。

  • オンラインでの医療相談(ただし法的な制限や規定を遵守する必要あり)
  • 講演やセミナー講師
  • 医療関連の執筆業務(医療メディアの記事監修、専門的なコラム執筆など)
  • 研修や勉強会の企画運営(医療従事者向けのセミナーやスキルアップ講座など)
  • 医療系スタートアップの顧問やアドバイザー(新サービス立ち上げ時の医療的アドバイス、企画サポートなど)

こういった形で、自分の専門知識や経験を“労働時間以外”にも活かす道を複数用意しています。すると、「Aの案件が減ってもBやCの案件がある」という状態になり、結果的に精神的な安定が得やすくなります。スポットバイトで稼ぐという発想から一歩踏み出し、医師としての能力をどこにどう提供できるかを考えると、自然と新しい道が開けていくものです。


まとめ

フリーランスとしての働き方は「単発収入」より「長期的な戦略」が大事

実際に私もスポットバイトのメリットを享受しつつ、一時的な収益だけに依存するのはリスクが大きいと感じました。安定性やキャリア形成を考えると、長期的な信頼関係を築いていく方がメリットが多いのです。

スポットバイトの短期的メリットと長期的非効率

スポットバイトは、短時間である程度稼げるという魅力が確かにあります。ですが、その背後にある待機・移動時間、スキルアップや人脈形成の難しさを考えると、長期的な視点では非効率になりやすいというのが私の結論です。

自分の強みを活かし、継続的な収益源を作る

医師としての専門性をどう活かすかは人それぞれです。だからこそ、「自分が何を得意としているのか?」「どんな分野なら継続的にサポートできるのか?」を明確にし、そこに力を注ぐことで、結果的にキャリアも収益も安定します。フリーランスであるからこそ、自分の得意分野を最大限に活かせる働き方を選ぶ自由があるのです。

スポットバイトに頼らない自由な働き方

最後に、スポットバイトに頼らなくなったことで得られた大きなメリットとして、自由な時間の増加を挙げたいと思います。以前は少し時間が空くと「稼がなきゃ」という考えにとらわれていましたが、今は「どんな仕事なら自分の価値を高められるか?」を基準に選んでいます。余裕が生まれた分、家族との時間や趣味を楽しむ機会が増え、新しいアイデアを形にする時間も確保できました。


フリーランス医師として働くうえで、スポットバイトが無駄だと言い切るわけではありません。短期的な収入確保の手段としては有用ですし、場合によっては貴重な経験が得られるでしょう。ただ、長期的な視点で考えたときに、「スポットバイトばかり繰り返していては、本当に築きたいキャリアから遠のいてしまう」という可能性も大いにあります。

もし、現在スポットバイトがメインの働き方になっていて、「将来に不安がある」「もっと専門性を活かした仕事がしたい」と感じているなら、ぜひ継続契約の取り方やコンサル型の業務形態、自分の強みを活かせる新たな収益源づくりを検討してみてください。そうすることで、より自由度が高く、かつ安定したフリーランスライフを送れるようになるはずです。

あなたが持つ医師としての専門性やスキルは、意外なほど多くのニーズに応えられる力を秘めています。ぜひ、この機会に今後のキャリア戦略を見直してみてはいかがでしょうか。あなたが思い描く理想のフリーランス像を実現するために、一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

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