みなさん、こんにちは。今回は「産業医」について取り上げたいと思います。
現在私は、
- 内科医
- 産業医
- パーソナルドクター
の3足のわらじを履いて活動しています。その中でも、産業医としての働き方については今後よりウェイトを大きくしていきたいと考えています。
- なぜそのような考えに至ったの?
- そもそもなぜ産業医に注目して従事している?
といったことについて、綴っていきます。私の考え方に触れることが多くなりますが、少しでも参考になれば嬉しいです。
現在の活動状況
私は現在5社7事業所で嘱託産業医として活動しています。担当する企業の業種は製造業、運送業、サービス業など多岐にわたり、従業員数も1000名を超える大企業から100名程度の中小企業までさまざまです。業種や規模に関わらず、産業医としての私の役割は従業員の健康を守ることで企業の持続的な成長に貢献することだと考えています。
産業医活動に強い関心を持つようになったのは、勤務医時代の経験がきっかけでした。定期健康診断で異常が出ているにもかかわらず、数年間医療機関を受診しない患者が少なくありませんでした。その結果、病状が進行し、取り返しのつかない状況に至ったケースも目の当たりにしました。もっと早く医師として介入できれば、という後悔の念を抱くことがしばしばありました。
その後ご縁があり、2年前からパーソナルドクターとして予防医療に従事し始めることになりました。その経験からも、病気になる前に医療の知識を使って介入することの重要性を強く感じました。
これらの経験から、産業医という役割が予防医療の一環として非常に有意義であると気付き、産業医活動に本格的に取り組むようになりました。
なぜ今、産業医としての活動にフォーカスするのか?
現在の労働環境は大きく変化しています。リモートワークやハイブリッドワークの普及により、従業員の健康管理がますます重要になっています。特に、働く場所や時間が柔軟になった一方で、孤立感やストレスを感じる従業員が増加しています。産業医として、これらの課題に対処するための支援を行う必要性を強く感じています。
また、メンタルヘルスの問題も深刻です。精神的なストレスにより休職や離職するケースが増加しており、企業にとっても大きなリスクとなっています。産業医は従業員のメンタルヘルスをサポートする役割を果たし、これが企業全体のパフォーマンス向上に貢献することができます。
さらに、最近注目されている「健康経営」は、企業の長期的な成功には欠かせません。従業員の健康を守ることで労働生産性が向上し、結果的に企業の収益にもつながるのです。従業員の新規採用、定着率にまで影響してきており、企業経営において無視できないムーブメントだと考えています。
このような背景から、社会的に産業医のニーズは今まで以上に高まっていくと予想しており、企業の健康管理のパートナーとして産業医の活動にフォーカスしています。
産業医としての具体的な経験
まだまだ歴は浅いのですが、産業医として活動する中で具体的な経験からも多くを学びました。
例えば、夏季に行った熱中症予防の講話では、『清涼飲料水の過剰摂取による健康リスク』についても説明しました。医療従事者からすると当たり前のことかと思いますが、従業員の皆さんからは「初めて知った」という声が多く寄せられ、産業医として一般的な健康知識を普及させる役割の重要性を改めて感じました。
また、メンタルヘルスの分野でも貴重な経験を積んできました。ある企業で長期休職中の従業員の復職サポートを担当した際、何度か面談を重ね、復職への準備を進めることができました。その結果、企業側との連携の下、無事に復職し、さらに再発を防ぐためのフォローアップも継続的に行っています。この成功体験は、産業医としての自信とやりがいに繋がっています。
今後のビジョンと目標
私は今後、特に中小企業の健康管理に力を入れていきたいと考えています。中小企業では、大企業と比べて従業員の健康管理が十分に行われていないことが多く、産業医の役割がますます重要になります。従業員一人ひとりの健康を守ることで、企業全体の成長をサポートしたいと考えています。
また、自分一人では対応しきれない部分については、他の専門家や企業と協力しながら、包括的なサービスを提供していく予定です。協業することでより広範な健康サポートを提供し、健康経営を推進することで企業の未来を支える役割を果たしたいと考えています。
まとめ
産業医としての役割は単に従業員の健康を守るだけではなく、企業全体の成長をサポートするものです。今後も企業の健康管理のパートナーとして、より多くの企業と連携し、従業員の健康と企業の未来に貢献していくつもりです。企業と従業員の健康を支えるという観点から、産業医の役割はますます重要になっていくと感じています。今後もこの活動を通じて、少しでも予防医療、また企業の成長に貢献できればと思っています。
いかがでしたでしょうか。何か少しでも参考にできる部分があると嬉しいです。これからも数回にわたり、産業医としての働き方、資格のとり方などについてお話していく予定です。


